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泊原発廃炉訴訟について

● 意見陳述

小野有五 宍戸隆子

常田益代 森山軍治郎

熊谷佳子 清水晶子

村上順一 竹村泰子

林恭子 佐藤英行

斉藤武一 西尾正道

意見陳述

● 西尾正道・意見陳述内容

原子力発電所の稼働による健康被害を医学的見地から 原告 北海道がんセンター名誉院長 西尾正道



健康被害の詳細は医学的に解明されていない

泊原子力発電所の稼働による健康被害について医学的な問題に絞り意見を述べる。まず、低線量の放射線の健康障害の詳細は科学的にも医学的にも極めて解明されていないという前提がある。現在日本政府や電力会社が根拠としている放射線の健康被害の考え方や防護体系は科学的な根拠に乏しく、原子力政策を推進するために作られた疑似科学的な物語である。この内容はICRP(国際放射線防護委員会)というNPO団体が中心となり作成されたものであり、この報告をもとに日本の放射線管理に関する国内法が作られている。また100mSv/年の被曝線量では過剰発がんや先天障害の発生はないとする電力会社の主張は欺瞞的な主張である。下記に被曝線量が100mSv/年以下でも健康被害を報告している幾つかの実例を示す。

福島第一原子力発電所の事故後の政府・東電の対応は多くの情報の隠蔽とご都合主義の規制緩和を行い住民の健康被害に対する配慮は全く欠けているものとなっている。公衆被ばくの年間被曝限度は1mSvとされているが、福島県民に対しては、20mSv/年(外部被曝線量)を強いている。チェルノブイリ事故後に作られたウクライナ法では5mSv/年(外部被曝3mSv+内部被曝2mSv)以上は強制移住とされている。また本邦の放射線管理区域の境界は1・3mSv/3月(年間5・2mSv)以下とされているが、放射線管理区域内に住居していることになる。放射線障害防止法や医療法および労働基準法では放射線管理区域では18歳未満者の就業禁止や飲食の禁止等が定められているが、現状は法律に違反した状態が続いている。こうした政府の対応は、泊原発において事故が起きた場合は同様な対応となる可能性があり、事故を未然に防ぐよう対応すべきである。

原発施設周辺の健康被害報告

原発稼働により、核分裂生成物として放射性物質が発生するが、それにより、原発近隣の住民の健康被害が報告されている。ドイツの大規模調査(KiKK調査)の結果を報告しているプフルークバイル博士の資料を示す。

道内市町村の中でも高いがん死亡率を示す

また泊原発の影響もデータとして示されており、年齢を補正したがん死亡率では下記に示す如く道内で最も高い値を示している。

北海道健康づくり財団の集計では道内180市町村の中で最も高いがん死亡率を示し、近隣の岩内町も積丹町も高いがん死亡率を示している。これらの問題については十分に述べる時間もないため、資料1(低線量放射線被ばく)、資料2(ウソだらけの放射線と健康障害)を添付する。 ※資料は弁護士に提出したもので、「放射線健康障害の真実」(旬報社)とDAYS JAPANに掲載された原稿です。 ※資料は紙面スペースの都合で掲載してません