ホーム > 泊原発廃炉訴訟について/意見陳述/清水晶子

泊原発廃炉訴訟について

● 意見陳述

小野有五 宍戸隆子

常田益代 森山軍治郎

熊谷佳子 清水晶子

村上順一 竹村泰子

林恭子 佐藤英行

斉藤武一 西尾正道

意見陳述

● 清水晶子・意見陳述内容

私が泊原発の廃炉を求める理由(共同代表/原告・清水晶子)



理由1 原発を推進してきた欺きの宣伝はもう通用しません

国や北海道電力は、「安全」「クリーン」「安い」「核の平和利用」「日本は資源小国」という欺きの宣伝によって運転を開始し、進めてきました。また、原発の必要性を、テレビで、新聞で、小学校の掲示板のポスターで、繰り返し宣伝してきました。しかし、2011年、福島の原発事故を待つまでもなく、1986年、ウクライナのチェルノブイリ原発事故によって、国や電力会社の原発宣伝の根拠は失われていたのです。ウクライナばかりでなくベラルーシなど、周辺の広大な地域を放射能で汚染し、今もなお人の住めない地域が存在します。やむなく住む人たちには健康上の問題が起きています。27年経った今もそれは続き、災禍は3世代目の子どもたちにまで及んでいます。2010年の夏、私はベラルーシの子どもの保養里親(体内の放射能値を下げるため)をしましたが、その翌年福島の事故がおきました。今網走にも福島の親子が避難して来ています。放射能汚染が身近な問題になってしまいました。原発事故は交通事故や航空機事故と違い放射能汚染は「場所と時間」がとてつもなく「広く長い」のです。想定外という言い訳は許されないのです。原発事故が起きたときの避難訓練は欺瞞です。事故がおきてしまえば、その地域はおしまいです。人は大地と水が汚れてしまっては生きてゆけないのです。北海道は日本の穀倉地帯でもあります。

理由2 原発から出る高レベル廃棄物の処理技術は確立されていません

原発を稼働すれば危険な核廃棄物が出ます。高レベル核廃棄物は10万年の長期にわたっての管理が必要といわれています。それは人類にとってほとんど不可能といっていい時間ですし、地殻変動の激しい日本には、そんな場所はありません。原発を稼働すれば核廃棄物は増え続けます。いずれ現在の保管場所は満杯になるでしょう。稼働すれば必ず出る核廃棄物の処理方法のない原発は不完全で危険な技術です。

理由3 地震多発国、日本で原発は危険です

日本は世界でも有数な地震多発国です。世界の地震の分布マップを見ると日本列島には震源を示す黒い点が集中しています。日本列島いたるところで地震は起きるということです。原発には無数の配管と配線があります。原子炉の多重防護はこのたびの福島の事故では役に立ちませんでした。地震による配管や配線の損傷は直ちに事故につながるでしょう。地震多発国日本での原発の危険度は、非常に高いと思います。また3・11でわかったように、大地震は津波を伴います。原発はみな海岸にあります。その点でも怖いことです。避難訓練をすれば、免震棟をつくれば、ベントをつくれば、堤防を高くすればすむという問題ではありません。事故が起きたら、という対策は、ことの核心からずれています。3・11でわかったように、一度事故が起きれば終わりなのです。

理由4 原発は命よりも経済優先という価値観の上になりたっています

原発は、人間が生きるためにどうしても必要だから、ではなく、お金が儲かるからという理由で推進されてきました。私は命を犠牲にしてまで、取り返しのつかない犠牲をはらってまで、原発のエネルギーに頼りたくありません。原発に頼らない豊かな暮らしの実現に向かうべきです。経済優先の価値観のさきには文明の滅亡があるだけです。

理由5 生存への不安は人間の尊厳を傷つけます

原発事故の不安をかかえての日々の暮らしは、人間の尊厳を傷つけます。ノイローゼ、少子化、自殺などの原因にもなります。原発の存在は本来健康であるべき人間の精神をむしばみます。子ども達の将来にも明るい希望が持てません。私は、毎日をはればれと暮らしたいのです。私たちにはそのように暮らす権利があります。それは、生存権、人格権をうたった日本の憲法で保障されています。以上が、私が泊原発の廃炉を求める理由です。裁判長、そして裁判官のみなさま、どうか、泊原発の1日も早い廃炉を命じてください。