10月30日 原発に関する最新情報です。

2017年10月28日
柳田邦男氏(17.10.28 柳田邦男の深呼吸、毎日新聞のオピニオン欄)は全国で進行しているおよそ30件の原発事故損倍訴訟裁判に新しい視点が萌芽しているとみる。
それは「平穏生活権侵害」と「ふるさと喪失損害」である。前者は福島地裁が2017年10月10日判決で出したもので次のように定義する。「生活の根拠において生まれ、育ち、職業を選択して生業を営み、家族、生活環境、地域コミュニティーとのかかわりにおいて人格を形成し、幸福を追求してゆくという、人の全人格的な生活が広く含まれる。」
後者について、千葉地裁は事故で故郷での生活や人間関係、風習を失い、平穏な生活を送る権利を侵害された被害者がうけた「地域のコミュニティーを失ったことによる精神的苦痛」に対する賠償を「ふるさと喪失慰謝料」と定義づけた。

2017年10月28日
日本原子力発電は、来年2018年11月に運転開始から40年を迎える「東海第2」の延長申請を原子力規制委員会に申請する予定。10月26日に審査を終えた再稼働審査でも防潮堤の液状化などで1800億円がかかった。さらに延長申請するとなると追加補強工事費が嵩み採算がとれる見通しは立たない。原発専業の日本原電が有する東海原発と敦賀原発1号機はすで廃炉作業中で、敦賀2号機直下には活断層が走るため、稼働の可能性が残るのは東海第2のみ。

2017年10月21日
韓国の有識者会議は中止していた新古里原発の工事再開をめぐり市民参加による「討論型世論調査」をした。その結果、再開を求める声が59.4%に達したため再開することにした。一方、今後の原子力政策については原発の「縮小」を望む意見が53.2%と最多であり、脱原発の方針自体に変更はない(東京新聞 171021朝刊)。

2017年10月18日
関西電力は停止中の大飯原発1号機と2号機を廃炉にすることが17日に判った。これら2機は2019年に稼働開始から40年を迎える。さらに20年の延命(最長60年)するためには巨額な安全対策が必要となり採算に合わないため廃炉の決定をした。

2017年10月14日
国は原発立地に限定していた補助金の対象を30キロ圏に拡大し、立地外16の自治体に少なくとも5億円を支給する予定。北海道では寿都町、ニセコ町、倶知安町、岩内町の4町が補助金の対象に選ばれた。

10月13日 原発に関する最新情報です。

171013
北海道電力は泊原子力発電所に新たに防潮堤を建設すると発表。強い地震により敷地が液状化して現在の防潮堤(2014年完成)が沈下する恐れがあるため、設計を見直し岩盤に杭を打った防潮堤にする。(北海道新聞171013)

171007
ノーベル賞委員会は2017年の平和賞に国際ネット「iCAN」(International Campaign to Abolish Nuclear Weapons, 本部ジュネーブ)に授与すると発表した。国連で採択された核兵器を違法とする核兵器禁止条約の成立に果たした「iCAN」の役割を高く評価したもので、日本原水爆被害者団体協議会も連携して活動した。世界で唯一の被爆国日本政府はこの条約に参加していない。

171005
原子力規制委員会は10月4日世界最大規模の東京電力柏崎刈羽原発の6、7号機を規制基準に「適合」とした。世界最悪の惨事をおこし収束の目処の立たないフクシマ第一原発と同じ沸騰式原子炉。当初は東電の廃炉に対する主体性を問題として、事業者としての「適格性」審査と課すとしていたが、結局この「適格性」は「決意表明の文書」と「保安規定への明記」のみでクリアされてしまった。国の原子力規制委員会の審査は原発設備のハード面が中心で、避難計画と生活・健康への影響が対象となっていない。このため、新潟県の米山知事は県独自に「技術委員会」と「健康・生活委員会」と「避難委員会」の3つの委員会を設置し、再稼働の安全性をより総括的に検証するとしている。一方、柏崎市の桜井雅浩市長は、リスク軽減のため、2年以内の1-5号機の廃炉計画を東電に求めている。(171005毎日新聞 および1006新潟日報から要約)

170925
都知事の小池百合子は新党「希望の党」を立ち上げ、政策の一つに2030年までに「原発ゼロ」をめざすと明言した。3.11以来「原発ゼロ」を訴えている小泉純一郎(元首相)とも連携している。

170919
中部電力は浜岡原発の長引く運転停止で技能低下が懸念される運転員を技術研修の目的で東電の柏崎刈羽原発に派遣する。中電は、柏崎刈羽の現場で規制委の検査の要点を把握する構え。浜岡原発も柏崎刈羽もともに福島原発と同じ沸騰水式軽水炉(BWR)(東京新聞朝刊より抜粋)

170925
原子力規制委員会 新体制へ。更田豊志が2代目の委員長に就任。ほかに就任。委員会は5人体制だが、現在地震の専門家はいない。

170918
原子力規制委員会初代委員長田中俊一退任会見で「原子力のあり方を国会で深く議論してほしい」と国に注文をつける。

170914
規制委員会は東京電力の適格性を認める。これにより柏崎刈羽第6号機と7号機が「合格」に前進。小早川社長は原発の安全性向上に取り組み、実行させるために、規制委員会の顕現が及ぶ保安規定に、内容を書き込むことを条件とした。東電はこの条件を了承する。

170913
原子力規制委員会は13日の定例会合で、福島第一原発事故を起こした東電が柏崎刈羽原発6,7号機を稼働する資格があるとの判断で一致。田中委員長は「東電に適格性はある」と明言した。東電の小早川智明社長らは「福島第一の廃炉をやり遂げ、柏崎刈羽の安全性向上を両立する」と明言(各紙)。

170907
原子力規制委は6日の定例会合で東電の柏崎刈羽原発6,7号機が耐震工事などをすれば新規制基準に「適合」するとの審査書面を決定(各紙)。