11月17日 学習会のご案内

11月17日は井戸謙一弁護士の講演会が18時より開催されますが、
その前に以下の要領で学習会を行います。みなさま是非お越し下さい。

日時:11月17日(土)、15時15分~17時
場所:北海道クリスチャンセンター 3F

内容:三つの分科会に分かれて学習します。
    1.泊原発事故の可能性と避難計画の問題  
    2.泊原発廃炉裁判のゆくえ
    3.大停電と使用済み核燃料のリスク

主催:泊原発を再稼働させない北海道連絡会

事前予約は不要です。
ご希望の分科会にご参加ください。

11月17日 井戸謙一氏講演会のご案内

20181117

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井戸弁護士は30年以上裁判官として務めてきました。井戸さんが下した判決の中で、特筆すべきは金沢地裁裁判長として北陸電力志賀原発2号機の運転差止(2006.3.24)を認め、住民を勝訴させた判決です。原発訴訟は「勝つのが困難」といわれている中で、国民が司法に求める「あるべき裁判」とは何か、を語ってもらいます。

日時:2018年11月17日(土)18:00〜19:30
資料代:500円
会場:北海道クリスチャンセンター(札幌市中央区北7条西6丁目)

主催:泊原発の廃炉をめざす会
共催:泊原発を再稼働させない北海道連絡会

お問い合わせ:泊原発の廃炉をめざす会事務局
 TEL 011-594-8454(月・水・金 10:00〜13:00)
 FAX 011-594-8455
 MAIL info(@)tomari816.com

10月25日 原発に関する最新情報です。

2018年10月25日
東北電力が女川原発1号機(宮城県女川町、石巻市)を廃炉にする方針を固めたことが24日、分かった。運転開始から35年目を迎え、運転期間の延長には巨額の経費を要することなどから判断したとみられる。女川1号機は福島第一原発と同じ沸騰水型炉「マークI」で、この型は中部、中国、日本原子力発電でも廃炉が決まっている(河北新報)

2018年10月23日
日本原子力発電と再稼働への「事前了解権を含む安全協定を結んでいる茨城県那珂市の海野徹市長は、東海第二原発(同県東海村)の広域避難計画について「完璧な計画はできない。高速道路のゲートを通るだけでものすごい渋滞になる。バス会社も運転手を出さない。住民のことを考えると動かさないのが一番安全だ」と述べた。(毎日新聞、東京新聞他)

2018年10月22日
北海道と後志管内13町村と周辺自治体で泊原発防災避難訓練を行った。今年は台風が接近する中、泊原発3号機で原子炉を冷却できない「全面緊急事態」に至り、放射性物質が放出されるという想定。600人がバスで移動したが、外国人観光客住民の間には「本当にバスは来るの?」という不安が残った。(北海道新聞)

2018年10月17日
北海道新聞は道内主要企業を対象に「胆振東部地震の影響」の調査を実施した。その結果「災害や北電の対応に不安が残るため、泊原発を再稼働すべきではない」が41.1% でもっとも多く、「電源供給に不安が残るため、早期に再稼働すべきだ」は22.2%にとどまり、「わからない」が31.4%、無回答は5.4%だった。

2018年10月16日
北海道電力は15日、胆振東部地震後の道内全域停電(ブラックアウト)で、道への伝達が停電発生から2時間10分後だったことについて、社内の対策本部会議での正式確認を待ったため遅れた、とした。送配電の司令塔である中央給電指令所を中心に技術的な訓練は年1回実施してきたが、本店や支店を含めた全社的な訓練は実施していなかった。

2018年10月16日
福島第1原発事故を巡り業務上過失致死傷罪で強制起訴された東京電力旧経営陣3人の公判は16日午後も東京地裁(永渕健一裁判長)で続いた。被告質問で武藤栄元副社長(68)は、「2008年6月東電の担当者から国の地震予測『長期評価』を基に最大15.7メートルの高さの津波が原発敷地を襲うとの試算結果を受け、評価に信憑性がないため土木学会に試算方法の妥当性の検討を委ねていたのであり、対策の先送りではない」と話した。

2018年10月14日
国内最大の原子力研究機関「日本原子力研究開発機構」が各地に保有する原子力関連の79施設のうち、青森、茨城、岡山3県にある10施設を廃止した場合に伴う「解体費」を約180億円と試算していたことが14日、分かった。解体費は国民負担となる。(共同)

2018年10月13日
原子力規制委員会は12日、2日間にわたる北海道電力泊原発(後志管内泊村)の現地調査を終えた。規制委の地震・津波対策の責任者である石渡明委員(元日本地質学会会長)は、原発敷地内の地層に関する北電の説明について「だいぶ考え方が合理的になってきた」「完全に十分ではないが、北電が一生懸命やったことは評価したい」と語った。しかし、北電の主張を認めるかどうかは明言しなかった。

10月13日 原発に関する最新情報です。

2018年10月13日
北電と道、立地4町村(泊村、岩内町、共和町、神恵内町)が結ぶ安全協定では、原発の「周辺100キロ圏内で震度4以上または道内地域で震度5弱以上の地震が観測されたとき」は、電話およびファクスで直ちに通報連絡するよう規定されているにもかかわらず、今回北電が通報したのは1時間以上経過した後だった。北電によると、外部電源を喪失し、非常用電源を起動させたが、電話交換機につながっていなかったためと説明している。(北海道新聞)

2018年10月12日
原子力規制委員会は11日、北海道電力泊原発(後志管内泊村)で現地調査を始め、原発敷地内に活断層があるかを見極めるために地層などを確認した。今回の調査は、規制委と北電の見解が食い違う地層の年代を調べることが主な目的。石渡委員や原子力規制庁職員が、北電担当者の説明を受けながら敷地内で地層の砂や小石などを調べた。初日の調査で北電の地質に関する説明に対して規制委から大きな異論はなかった。

2018年10月4日
原子力規制委員会の石渡明委員と規制庁職員は10月11、12日の両日泊原発の敷地周辺に活断層があるかどうか、現地調査を行うと発表した。北電は敷地内に活断層はないと主張しているが、規制委は地質を見た上で判断する(北海道新聞)

2018年10月1日
胆振地方中東部を震源とする地震が9月29日から10月1日まで3日間つづいた。地震の規模は29日(マグニチュードM4.2)、30日(M5)、10月1日(マグニチュードM4.9)。

2018年9月28日
四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)の再稼働をめぐり、大分県の住民が運転差し止めを求めた仮処分申請で、大分地裁(佐藤重憲裁判長)は28日、「社会通念上、無視できる危険」として住民側の申し立てを却下した。

2018年9月25日
四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)の運転を差し止めた昨年12月の広島高裁の仮処分決定を不服とした四国電の申し立てによる異議審で、同高裁(三木昌之裁判長)は「大規模な破局的噴火が起きる可能性が根拠をもって示されておらず、原発に火砕流が到達する可能性は小さい」として再稼働を容認する決定をした。昨年末の高裁の即時抗告審決定は、熊本県・阿蘇カルデラで「破局的噴火」が起きた際、火砕流が原発に到達する可能性を指摘したが、三木裁判長は「伊方原発の安全性は欠けていないというのが社会通念」とした。

2018年9月25日
苫東厚真4号機(70万キロワット)と知内2号機(35万キロワット)が加わり、北海道電の供給量は461万キロワットまで上積みされた。今後、北海道電は機器の不具合で再稼働を十月中旬に延期した苫東厚真2号機(60万キロワット)への対応を急ぐ。

2018年9月24日
北海道電力は24日、地震で停止した苫東厚真火力発電所(厚真町)の全3基のうち最も出力が大きい4号機(70万キロワット)を月内に再稼働できる見通しとなった。一方、2号機(60万キロワット)については燃料の石炭を粉砕する装置に不具合が見つかったため10月中旬以降に延期する。(北海道新聞)

2018年9月22日
国の認可法人、電力広域的運営推進機関(広域機関、東京)は21日、胆振東部地震に伴うブラックアウト(大規模停電)の原因を究明する検証委員会の初会合を開いた。道内全域の停電を防ぐ手段として、北海道電力が設定した一部地域での強制停電の上限が、地震直後の電力需要量の半分程度にとどまっていたことで、さらなる強制停電ができないまま需給バランスが崩壊してブラックアウトに陥っていたことが明らかになった。北電の緊急対策が不十分だった可能性がある。(北海道新聞)

2018年9月20日
高橋はるみ北海道知事は20日の道議会代表質問で、胆振東部地震に伴ってブラックアウト(大規模停電)が発生したことに関し「深刻な事態だ。北海道電力の責任は極めて重い」と述べ、北電の責任に初めて言及した。(北海道新聞)

2018年9月18日
北海道電力は、地震で損傷した苫東厚真火力発電所1号機(厚真町、出力35万キロワット)は損傷した管の補修を終え18日に再稼働させる。また2号機(60万キロワット)も早ければ9月下旬に再稼働させる方向で調整中という。今後の電力供給力回復は10月以降にLNG石狩湾天然液体ガス発電所(56.94万キロワット),11月以降は苫東厚真4号機(70万キロワット)も再稼働をめざす。(北海道新聞)

2018年9月17日
北海道電力は17日、地震で損傷した苫東厚真火力発電所1号機(厚真町、出力35万キロワット)を18日にも再稼働させる方針を明らかにした。

2018年9月17日
17日午前2時51分ごろ、胆振管内厚真町や札幌市東区などで震度4の地震があった。札幌管区気象台によると、震源地は胆振地方中東部で、震源の深さは約30キロ。地震の規模はマグニチュード(M)4.7と推定される。(北海道新聞)

2018年9月15日
北海道電力の真弓明彦社長は14日の記者会見で、道内全域(約295万戸)停電「ブラックアウト」を起こした責任を認めて謝罪したが、地震が多い地区に出力の大きい発電所を配置していたことに関しては「幅広い観点から計画を進めている」とするなど正当性を主張。ブラックアウトまでの経緯については「検証中」として説明を拒んだ。18日以降は数値目標なしの節電要請が続く。(北海道新聞)

2018年9月15日
「京極」水力発電所の2基(後志管内京極町、合計出力40万キロワット)が稼働し、必要な電力供給を確保できた。停止中の火発も順次立ち上がり、供給力は地震前のピーク需要を超える426万キロワットまで積み上がった。ただ、フル稼働している老朽火力発電所がトラブルで停止する恐れがある上、寒さが厳しい冬に向けて電力消費が増加するのは必至。(ただ、フル稼働している老朽火力発電所がトラブルで停止する恐れがある上、寒さが厳しい冬に向けて電力消費が増加するのは必至。(北海道新聞)

2018年9月14日
世耕弘成経産省大臣は、2割節電目標を取りやめた。計画停電は当面実施しない。

2018年9月12日
政府の地震調査委員会の委員長・平田直東大教授は11日、都内での定例会で胆振東部地震と活断層「石狩低地東縁断層帯」との関連について、「地震を起こした断層と活断層の角度によっては深部でつながっている可能性は否定できない」との見解を示した。

2018年9月10日
厚真を襲った北海道初の震度7(M6.)の大地震は胆振東部地震と命名される。震源は37キロと深く、南北にのびる石狩東縁低地断層とは別の未知の活断層かとする意見が出た。

2018年9月10日
道内全域での停電を巡り、10日の道議会産炭地域振興・エネルギー問題調査特別委員会で、北海道電力の姿勢を問題視する意見が出た。

2018年9月8日
世耕弘成経済産業相は8日、経産省内で記者団に対し、胆振東部地震による電力不足について「平常時よりも2割を目標として、最大限の節電をお願いしたい」と述べた。また、需要に対する供給力を当面維持できることから「9、10日の実施予定はない」とした。(北海道新聞)

2018年9月7日
北海道電力は8日、胆振東部地震により道内全域で発生した停電が、午前8時現在で全体の99・3%に当たる293万100戸で解消したと発表した。一部地域で計画停電の準備を進める.世耕経済産業大臣は1割の節電を呼びかけた。(北海道新聞)

2018年9月7日
2018年9月6日午前3時8分頃、北海道厚真町で震度7を観測する地震が発生。道内最大の苫東厚真火力発電所は道内電力の約半分に当たる計165万キロワットを供給していたが、地震で2、4号機でボイラー管が破断したり、出火したりしたため緊急停止した。電力の供給と需要のアンバランスにより周波数が低下したため、道内各地の火力・水力発電所もつぎつぎに自動停止し、18分後には北海道全域が停電(ブラックアウト)となった。泊原発でも外部電源は喪失したが、非常用ディーゼル発電機が起動し、使用済核燃料プールの冷却は続けられた。(北海道新聞)

2018年9月4日
電源開発(Jパワー)は4日、青森県大間町で建設中の大間原発について、2018年後半としていた安全対策工事の開始時期を約2年延期すると町議会で説明した。3回目の延期で、運転開始は26年頃に先送りされる公算。(共同 東京新聞)

2018年9月3日
MOX燃料再処理のためには巨額の費用を要する再処理工場の建設が必要となるが、国内の10の電力各社はこのための予算を計上していないことがわかった。(茨城新聞)

2018年8月31日
日立がアングルシー島に大型原発2基を建設する計画の工事体制として、タービンと原子炉担当の日立製作所、周辺設備など担当のエンジニアリング大手の日揮、原発建設工程と管理担当の米ベクテルの三社でつくった企業連合「メンター・ニューウィッド」をつくっていたが、これを解散した。今後の先行きは不透明。(東京新聞)

2018年8月30日
日本原子力研究開発機構は福井県敦賀市の高速増殖原型炉もんじゅで、廃炉の第1段階である燃料取り出し作業を開始した。22年の完了をめざすが難航される可能性がある。(東京新聞)

10月15日 チカホイベントのお知らせ

廃炉の会は、署名活動と新規会員募集、廃炉の会活動の周知を目的に札幌駅前通地下広場「チカホ」でイベントを開催します。

菅澤弁護士が「泊廃炉訴訟の行方」を報告します。お気軽にお立ち寄りください。

日 時:2018年10月15日(月)10:00~17:00
場 所:札幌駅前通地下広場「チカホ」
憩いの広場  W-1 W-2 (赤れんがテラス下)

プログラム
「泊廃炉訴訟の行方」
菅澤紀生(廃炉の会弁護団 事務局長)
11:00~11:30  15:00~15:30

原発スライドショー (終日)
署名活動・新規会員募集など

10月10日 「大間原発訴訟の会 札幌集会」のご案内

「大間原発訴訟の会 札幌集会」のご案内

2018年3月19日、大間原発訴訟の判決が函館地裁でありました。
浅岡千香子裁判長は「建設の見通しが立たない中で、現時点で重大事故の危険性を認めることは困難」などとして、原告の請求を棄却しました。
大間原発の建設差し止めは認めず、住民の損害賠償責任も認めずというもので、原告のほぼ全面敗訴となりました。
東日本大震災後、建設中の原発への司法判断は初めてで、原告側は判決を不服として2018年3月28日、控訴しました。

裁判は札幌高裁に移り、大間弁護団に加え泊原発裁判の弁護団も合流し、総勢41名の弁護団となります。
第1回口頭弁論(12月11日)に先立って、10月10日に進行協議が始まります。
進行協議後に、次のように大間原発訴訟の会の札幌グルーブ結成に向けた集会が開かれます。ぜひご参加ください。

日 時:2018年10月10日(水)18:00~19:30
会 場:札幌エルプラザ
(札幌市北区北8条西3丁目、TEL 011-728-1222)

(当日は、出席者名簿を作成する予定ですので、ご了承ください)
内 容:「大間原発訴訟の経緯と12月11日の控訴審に向けた活動説明」

最新情報は「大間原発訴訟の会」公式ホームページでご確認ください。
http://www.oomagenpatsu-soshounokai.org/

【7日集会は中止】10月6日 STOP再稼働!さようなら原発北海道集会のご案内

201810071
201810072

クリックで両面PDFチラシを表示(2.5MB)

10月7日(日)午後に予定されていた「STOP再稼働!さようなら原発北海道集会」は台風影響のため中止となりました。
なお、10月6日(土)夜開催予定の「プレミーティング&講演会」を、「STOP再稼働!さようなら原発北海道集会」と名称変更し、下記のとおり開催します。

STOP再稼働!さようなら原発北海道集会のご案内

1.日 時  2018年10月6日(土)18:30~20:15
2.集会名  STOP再稼働!さようなら原発北海道集会
3.会 場  北海道自治労会館 5F大ホール(北区北6西7)
4.主 催  「さようなら原発1000万人アクション北海道」実行委員会
       (事務局:北海道平和運動フォーラム)
5.集会内容 ※ 内容が変更となることもあります。
① 開会・黙とう                      
② 呼びかけ人発言
        小野 有五さん(北海道大学名誉教授)
        西尾 正道さん(国立北海道がんセンター名誉院長)
        麻田 信二さん(北海道生活協同組合連合会会長理事)
③ 講演① 『原発と沖縄闘争から日本の民主主義を考える』
        鎌田 慧さん(ルポライター)
④ 講演② 『沖縄!継承される反戦・平和の心』
        山城 博治さん(沖縄県平和運動センター議長)
⑤ メッセージボード・アピール
⑥ 閉会

<問い合わせ先>
北海道平和運動フォーラム

2018.10.5 更新

【終了しました】「泊原発を再稼働させない道民署名」

20171227

クリックするとPDFファイルが表示されます。そのまま印刷するか、ダウンロードしてから印刷してください。

署名活動「全道避難計画ができないなら再稼働を認めないで!」は2017年12月末日で一旦、終了いたしました。署名活動「北海道に核ゴミを持ち込まないで!!」は継続します。

【署名】北海道に「核ゴミを持ち込まないで!!」

そして、「全道避難計画ができないなら再稼働を認めないで!」にかわり「泊原発を再稼働させない道民署名」がスタートしました。

道民が安心して暮らせる北海道にするため、「泊原発を再稼働させない道民署名」(略称「再稼働させない署名」)をスタートしました。

★署名用紙を印刷して署名にご協力ください。印刷ができない方にはお送りしますので、ご連絡ください。
★印刷の方法 署名用紙の画像をクリックするとPDFファイルが大きく表示されます。そのまま印刷するか、ダウンロードしてから印刷してください。
★お手数ですが、署名用紙は自筆のうえ、郵送もしくは事務所までお届けください。

10月9日 泊原発廃炉訴訟 第26回口頭弁論のご案内

 10月9日(火) 第26回口頭弁論のご案内

 次回口頭弁論が下記の通り開かれます。

 午後2時開廷、傍聴抽選は午後1時30分予定。傍聴希望者の大通公園集合時間は午後1時10分です。
 また、同日は傍聴できなかった人のための集会があり、口頭弁論終了後には弁護団が裁判について解説し質疑に応じる報告会が開かれます。あわせて、ぜひご参加ください。もちろん、報告会のみの参加も歓迎いたします。

  傍聴者集合
 午後1時10分 大通公園西11丁目(札幌市中央区・裁判所前)
 裁判所は、入廷に際して危険物検査を実施していますので、少し早めに入ります。
 午後1時30分 傍聴抽選(傍聴者が多い場合に裁判所が実施します)

  集 会
 午後1時50分〜  裁判傍聴の抽選に外れた人を対象にした集会 
 ※内容:原発関連映像の視聴
<会場> 北海道高等学校教職員センター 4階大会議室(札幌市中央区大通西12丁目) 
  報告会
 口頭弁論終了後~ 午後4時頃まで   口頭弁論報告会

 ※次次回の口頭弁論は来年1月22日(火)午後2時からです。

9月1日 HAIROニュース27号発行のお知らせ

news-no26ハイロニュース27号を発行しました。

第25回 法廷だより
年次活動報告会
大飯原発の判決をめぐって
[PDF]データでの閲覧となります。

なお、印刷物は以下の訂正をお願いいたします。
8ページ 口頭弁論報告会の日時 【誤】2018年10月19日 → 【正】2018年10月9日
4ページ 大飯原発の差し止め訴訟(写真のキャプション)【誤】火砕流堆積物 → 【正】デルタ地形を見る

【中止となりました】9月8日「エルプラまつり2018」に参加します

【中止となりました】

開館15周年 エルプラまつり2018
感謝・感謝の15いち笑(いちごいちえ)~はじまりと いまと つぎのつぎへ~

日時:2018年9月8日(土)10:00~15:00
会場:札幌エルプラザ公共4施設
札幌市北区北8条西3丁目札幌エルプラザ内

廃炉の会は、2階環境プラザ横の共有スペースにブースを開きます。
会の啓蒙活動や賛同人募集、缶バッジや珈琲の販売を行います。ぜひお立ち寄りください。

故森山軍治郎氏の遺稿『「泊原発の廃炉をめざす会」運動と北電』

「泊原発の廃炉をめざす会」運動と北電       森山 軍治郎

再稼働阻止に向けて

 「泊原発の廃炉をめざす会」(略称「廃炉の会」)では、廃炉まで追い込むには、法廷闘争はもちろんのことだが、さまざまな運動と連携、つまりクルマの両輪として活動をしていく必要が不可欠だという認識が当初からあった。法廷闘争については後述する。
 これまでも、集会やデモに参加するのは当然だった。ただ、泊原発に隣接する岩内町での集会では千個の風船を飛ばした。原発から出る放射能が同心円状に広がっていかないのは福島第一原発事故の経験でわかっている。日本列島の上空には常に偏西風が西から東へと流れている。そこで主催団体は別だが、当会員も参加して、現地から風船を飛ばしたのだ。遠くは旭川郊外の東川町まで達していた。とても半径30キロ圏内などというものではない。
 さらに、昨年5月の大飯原発に関する福井地裁の判決では、福島事故の経験を深くふまえて原発から250キロ地点でさえ危険だということになった。北海道では、泊原発から東へ余市、小樽はもちろん札幌を中心とした道央圏、旭川、北見、網走、帯広などの道北・道東圏も危険だということになる。ところが、いざ事故が発生したとき、泊原発周辺の人たちは札幌に避難するというのが道の避難計画なのだ。が、泊から6,70キロしか離れていない札幌も危険だというのであれば、200万人以上の札幌圏の人たちはどこに避難すればいいのか。道の避難計画では何ら考慮されていない。
 そこで「廃炉の会」では、札幌圏の人たちも原発事故では当事者そのもので、決して他人事ではないことを、ことあるごとに訴えてきた。
 2015年4月の知事選挙では再稼働反対を表明している候補に期待して、集会にも参加してもらった(ただし「廃炉の会」としては特定の候補または政治団体を直接応援しない)。
 結果として、再稼働反対の候補は負けた。国も北電も再稼働には前のめりになっている。原子力規制委員会の審査が通れば、あとは地方自治体の判断で再稼働にゴー・サインがでる。とくに知事の権限が大きい。新潟県では東電がなんといってきても、泉田知事がガンとして認めていないのでまったく再稼働の目途がたっていない。
 北海道のばあい、かりに高橋知事個人が再稼働に賛成だとしても、知事には道民の命や財産を守る義務がある。北海道全体にわたる事故の際の防災・避難計画が確立されていなければならない。しかも確実に実行可能な体制での実施プランが必要だ。
 「廃炉の会」世話人会 (会の意思決定を行う) の提案で、高橋知事宛の大々的な署名活動を展開することになった。このことは総会にあたる2015年の報告会でも確認された。
 「全道避難計画ができないなら再稼働をみとめないで ! 」がその一つ。
 もう一つ、幌延や道東方面などが「核のゴミ」の最終地下処分施設のターゲットになっているから、この署名も集めようということになった。
「北海道に『核ゴミを持ち込まないで ! 』」
これらの署名用紙を3000人近い会員に送って集めてもらう。さまざまな集会に出かけて行って集めてくる。チ・カ・ホ (札幌駅前地下歩行空間) イベント (出前講座、写真展示、書籍販売など) でも呼びかける。大通公園やパルコ前など中心街でも、ハンドマイクで呼びかけながら10組ほどに分かれて集める。
昨(2016)年6月から開始して、一応12月末日を限度としたのだが、これが思った通りにはいかなかった。世話人会では、ことの重大性からもっと精力的に継続しようということになった。一応3万筆を目標にして、それが達成すれば高橋知事にそれをもって再稼働阻止と核ゴミ問題を訴えにいくことにしている。

「廃炉の会」出発のころ

 「廃炉の会」は2011年7月7日に誕生した。もちろん、3.11の福島第一原発の大事故がきっかけでのことだった。弁護士や市民有志が集まって、地元北海道の泊原発を廃炉にする。そのためには、どうすればいいのか。という議論なのだが、ともかく何度も集会やデモがもたれた。廃炉にするにはどうすべきかという議論に先立って、多くの意見は原発を国策としてきた国や大事故を起こした東電をはじめ電力会社への怒りの爆発だった。
 3.11の大事故直後の北電幹部たちの心情にも怒りを禁じえなかった。
 近藤龍夫会長 (当時) はいう。「安全のとりでと信じてきた、 (原子炉格納容器や原子炉建屋など) 『5重の壁』が瓦解した。現実と思えず、悪夢としか映らなかった」。が、しかし日本のエネルギーとして原発は不可欠だという。泊原発の三機は止めるわけにはいかないという (2011年4月28日付『北海道新聞』)。「安全のとりで」の「『5重の壁』が瓦解」した事実をもってしても、原発は継続するといっている。「安全神話」が完全に崩壊したというのに、原発を止めないとはどういう神経の持ち主なのか。人間じゃあない。
 佐藤佳孝社長 (当時) は会長を弁護するかのように、「泊原発は福島のようにはならない」と強調する。記者会見では、福島第一の1号機で起きた水素爆発について聞かれてこういう。「泊は格納容器の炉型が福島とは違い、10倍の容積がある。仮に水素が発生しても濃度はあがりにくい」。「同じ災害にあっても、泊はああはならない」 (『財界さっぽろ』、2011年5月号)。
 泊原発は福島第一原発とは違う、という発言で忘れることができない記憶がある。1986年にチェルノブイリ原発が大爆発を起こした時だ。日本でも反原発の大運動が広がった。が、国も電力会社も御用学者も推進派もすべて口をそろえていい続けたものだ。「日本の原発の型はチェルノブイリとは違う。日本の科学技術は優秀だから、原発は絶対安全だ」。それがどうだ。福島第一原発が大事故を起こしたのだ。チェルノブイリ事故と同じレベル7という歴史上最高レベルの被害になった。するとこんどは、泊原発と福島第一原発とは違うといいだした。福島のばあいは「想定外だった」とも
いう。想定外などという言葉ではすまされない、取り返しのきかない放射線被害なのだ。

 「廃炉の会」が方向性をもつ運動体として動き出すには、数カ月を要した。
 廃炉までもっていくのは、やはり運動をともなった訴訟しかないだろう、という方向に議論は収れんした。弁護士も少なからず運動の中心にいたからである。が、これまでの全国の原発裁判では、ことごとく差し止めを訴えた住民側が負けてきた。唯一、北陸電力志賀原発2号機に関する金沢地裁判決は住民側の勝訴だった。2006年3月の井戸謙一裁判長が下した名判決だった。しかし、これも上級裁判では完全に覆された。
 北海道では泊原発の建設中に差し止め訴訟がはじまった。1988年のことだ。2年前のチェルノブイリ原発の爆発事故以来、世界的に反原発の大きなうねりが生まれていた。北海道も例外ではなかった。盛り上がっていた市民運動と札幌地区労という労働組合が一緒になっての訴訟運動が準備されていった。5万人の大原告団を作って、訴えたのだ。一人千円の訴訟費用を出し合い、弁護士を立てない素人裁判にふみきった。実際には1120人の原告にしぼって登録し、市民会館とか野球場を法廷にして、巨大な裁判を提案してのことだった。が、裁判長は断固としてこれを認めず、結局30人の原告代表を決め、その中から毎回の法廷にはさらに5人だけが裁判に参加することを命じた。ほとんど普通の法廷のようになった。この5人の代表原告の中に市民運動の側からのぼくもいた。
 判決が下ったのは11年後の1998年だった。ぼくらの敗訴だった。が、裁判長は判決文の最後にこう付け加えていた。「自分たちの子どもたちに何を残すのか。多方面から議論を尽くし、賢明な選択をしなければならない」。敗訴ではあったが、希望が残った。
 だから、しっかりとした裁判をやれば次は勝てるかもしれない。まして、福島第一原発の大事故後のいまなら、確実に勝てる。こんどは大原告団に加えて大量の弁護団で北電と闘う。泊原発を廃炉に追い込む可能性は十分にある。そんな確信から「廃炉の会」は出発した。

裁判がはじまる

 2011年11月11日に提訴。このとき原告団612人 (支援者=賛同人を含むと1264人)、弁護団68人。このころ「廃炉の会」の組織体制ができる。
 原告団長 斉藤武一   副団長 常田益代
 弁護団長 市川守弘   弁護団事務局長 菅澤紀生
 「廃炉の会」共同代表 小野有五  宮内泰介  清水晶子
 「廃炉の会」事務局長 樋口みな子
 このもとに世話人会と事務局がおかれる。当時の事務局は菅澤弁護士の事務所におかれる。
 提訴の2日後、作家の池澤夏樹さんの提訴記念講演「昔、原発というものがあった」が市民ホール超満員の中で開催される。

 第1回目の口頭弁論は2012年2月13日だった。最初の意見陳述は原告代表の斉藤武一さんだった。彼は岩内在住で、ぼくも代表原告をしていた5万人原告団での差し止め訴訟のときも一緒だった。彼は原発建設前から今日まで、毎日欠かさずに泊原発の近くで海水温度を計り続けている。まさに原告団長にふさわしい人物だ。陳述のテーマは「泊原発によって故郷はねじ曲げられ、苦悩の道を歩んでいる」だった。
 福島第一原発の大事故を自分たちの問題と受け止めている住民は恐怖と不安におののいている。泊漁協、岩内漁協など原発周辺の漁業は壊滅した。原発交付金が地域にもたらした歪みには想像を超えるものがある。
 もう一人の意見陳述者は原告副代表の常田益代さんで、現在は「廃炉の会」の共同代表をしている。彼女の陳述テーマは「なぜ泊原発を廃炉にしなければならないのか」。いくつかの重大な理由があるが、「人権と倫理」の問題こそ最重視されなければならない。
 第2回目の口頭弁論では共同代表の小野有五さんが意見陳述に立った。小野さんは地理学者という専門家の立場から泊原発の危険性を主張した。詳しい地図などの図像を示しながら、泊原発が面している日本海のプレート境界の複雑性と活断層について説明する。いつ地震がおきてもおかしくない状況にあるにもかかわらず、北電はこのことを理解していない。とくに活断層の存在については東洋大学の渡辺満久氏の主張を認めない。その存在が目視できないからだという。が、小野さんはこれまでの地質学による調査ではわからなかった事実が「変動地形学」の方法では明確にわかるという。つまり、ある期間の活動で地殻に変動があっても、これまでの地質学的調査では確認できなかったのは海底の表層が変動の事実を隠していたからだという。「変動地形学」からすれば、渡辺氏が主張する危険な活断層を証明することができる。
 このことについては、ぼくら原告側も知らなかったし、被告北電もはじめて見聞したにちがいない。そして、裁判官も認識を新たにしたことだろう。
 2012年11月12日、第2次提訴が行われる。第1次提訴から1年後のことだ。新たに621人の原告が合流することになる。1233人の原告団となった。そんな中で、第4回目の口頭弁論を迎える。4人の意見陳述が準備される。第一原告からはぼくが陳述することになった。
 ぼくの陳述のテーマは「かつての5万人原告団はなぜ負けたのか」だった。自分自身の体験を通して、敗訴になった原因を改めて考えてみた。が、敗訴だったとはいえ、判決文の末尾のことばからは希望につながっていた。「自分たちの子どもに何を残すのか。多方面から議論を尽くし、賢明な選択をしなければならない」。裁判官がそうまでいっていたのに、なぜ泊原発を差し止めにすることができなかったのか。あの裁判にどんな問題が潜んでいたのか。裁判所に提出したぼくの「意見陳述 (要旨) 」からそのまま引用しよう。

1 国策としての原発推進
2 北電はじめ電力会社の「絶対安全」宣伝。「安全神話」の増幅 ― “日本の原発はチェルノブイリとは違う。ソ連 (当時) とは違って日本の科学技術はきわめて優秀だから、日本の原発は絶対安全だ”
3 裁判官の主体性不足、倫理観不足、勉強不足、原告団長・斉藤武一氏「裁判長をはじめ判事の方々にも、表に出ている問題はもちろんのこと、隠されている問題も含め、泊原発の問題を徹頭徹尾勉強してもらわなければなりません。裁判長が正しく勉強してこそ、公平な判決を導くことが出来るからです」 (『訴状』)

 2については、ほとんど補足することもないだろう。「原子力明るい未来のエネルギー」。双葉町の四角いアーチに書かれた文言が原発大事故以前の支配的なイメージだったからだ。3の裁判官の主体性不足とは、裁判官自身が自分の頭で考えず、国策なのだからいいだろうと思っていたのではないのか。「絶対安全」という宣伝を疑いもせず、「安全神話」を信じ込んでいたのだろう。
 倫理観はだれにも要求されることだが、裁判の場でこそ欠かせないものだ。人間社会の営みにあってものごとを判断し、裁いていかなければならないからだ。その意味からすれば、18年前の判決文の末尾の文章からは、すぐれて倫理観に富んだ感覚が読み取れる。あの判決は末尾の部分をベースにして下されるべきだった。裁判官に倫理観は不可欠だ。
 勉強不足については斉藤原告団長が指摘している通りだ。「廃炉の会」の裁判においても、たとえば小野さんがいう「変動地形学」をしっかりと勉強してほしい。
 口頭弁論は次回 (2016年2月16日) で17回目になる。毎回、さまざまな原告の立場からの意見陳述がなされている。第13回目には、河合弘之弁護士が監督した映画『原発と日本』(30分バージョン) をもって意見陳述とした。
 毎回の法廷には傍聴希望者が多数集まり、抽選で入廷が決められるほどだ。それほど原告側は熱心だし、弁護団もさまざまな角度から北電を攻めたてている。が、いままでのところ、被告の北電代理の弁護士たちからの反論もなにもない。無気力にさえ思える。が、後述するが、これからは違ってくるだろう。

運動の広がり

 これまでもさまざまな取り組みがあった。原告団長の斉藤さんは地元から泊原発がもつ多様な問題を鋭く掘り起こし、調査や分析を加えて、わかりやすい紙芝居にして各地で公演してきた。共同代表を中心に講演活動も展開してきた。毎年、3月には「3.11メモリアル」として講演会やパネル・ディスカションなどを企画し、11月にも提訴記念のイベントをやってきた。
 中でも盛会だったのは菅直人元首相を招いての講演会だった。650人収容の会場には入場できない人が100人以上もでるほどの人気だった。このとき、福島からきた原発被災者の発言もあったし、高校生からの発言もあった。元首相の講演には新鮮味は感じられなかったし、原発被災者からは彼への批判もあった。高校生の発言からは、被災地復興を優先すべきで東京オリンピック開催には賛成できないとのことだった。
 これは2014年3月のことであり、廃炉の会の共同代表なども新しくなっていた。この講演会のあとで、全道各地からきていた原告の集まりがあった。北海道は広い。網走、釧路、函館、室蘭、帯広、道北の幌延などの遠方からの参加者がいた。ぼくは道央の美唄からで、札幌に近かった。各地の原告が交流するのはこれがはじめてだった。このとき、「地域連絡会」が話題になり、ぼくは岩見沢・美唄など空知の地域を束ねることになった。 (これを機にぼくは廃炉の会の世話人となり、事務局長になった)。
 3か月ごとの口頭弁論はいつも平日のことで、遠方からの傍聴参加はほとんど不可能だった。すべては札幌中心に動いていた。原告にせよ賛同人にせよ、廃炉の会の会員は札幌圏の人たちが多かったが、全道に散らばっていた。それぞれの地域での活動がのぞまれた。帯広を中心にした十勝では当初から独自活動をしており、全道集会や大規模デモには大型バスで札幌にきていた。が、地元で定期的に「さようなら原発全道100万人署名」運動を展開し、講演とコンサートの企画を進めていた。
 2015年6月の総会に代わる活動報告会では正式に「地域連絡会」の発足が確認された。僕が属する空知では「泊原発廃炉の会・そらち」がすでに活動を開始していた。原子に関する基本的な勉強会、自然農法や自然エネルギーの実験的体験、建設中の大間原発の真下にある「あさこはうす」 (原発敷地内に土地を所有している故熊谷あさ子さんが土地を死守して建てた家で、現在は娘さんの小笠原厚子さんが住んでいる) の「そらち」での訪問といった独自の活動をやってきた。
 活動報告会では岩内からの現状が語られ、壮瞥町では隣接する伊達市の原告たちと小さな集まりや署名活動についての話があった。釧路では市川弁護団長・共同代表を呼んでの集会が開催されていた。あちこちの地域からの報告が続いた。運動が確実に広がっていた。
 が、原告や賛同人が集中している札幌市とその周辺地域での活動がない。というよりも、「廃炉の会」そのものへの参加ができたからないのかもしれない。それにしても地域活動というものがあるはずだ。札幌市10区と周辺市町別の会員名簿が点検される。きめ細やかな地域活動が準備されはじめている。
 今年の「3.11メモリアル集会」には立命館大の大島堅一氏の講演が企画されている。演題は「原発のコストと経済」だ。4月からは電力販売が完全自由化される。原発の電力は選ばない。できれば再生可能エネルギーの電力がほしい。

 とはいえ、最近の動きは脱原発派に有利なことばかりではない。すでに川内原発が再稼働をはじめている。鹿児島県知事が火山活動などを無視して再稼働に同意してしまったのだ。伊方原発に関しても愛媛県知事は再稼働に同意している。こここそ、狭い佐田岬半島にあって、原発よりも先に住む住民には、いざというときに避難するすべがないのだ。
 福井地裁判決でも、高浜原発3,4号機の再稼働が容認され、すでに仮処分で差し止めが決まっていたのが反故にされた。すべて、原子力規制委員会が新基準を満たしたと判断したからだ。田中委員長は規制委員会の基準がパスしたからといって安全が証明されたわけではない。といっているが国の方針が再稼働なのだ。電力会社は原発という資産でより大きな利益がほしい。
 これ以上に「核ゴミ」をだしていいわけがない。原発の負担は電力購入者と納税者の国民だ。北電でも危ない動きが見えはじめてきた。北電が主張してきた基準値震動は550ガルだった。実際に日本で起きてきた地震では4000ガルというものもあった。とても現実的な数字とはいえない550ガルだが、規制委員会はこれを620ガルに引き上げれば、大筋で了承できると発表した。泊沖の活断層の存在はどうなったのか。
 泊原発3号機の再稼働にも規制委員会はゴー・サインをだしてしまいそうだ。地域の合意が最後の砦になるはずだが、周辺4か町村の首長はみんな再稼働賛成派だ。やはり知事の判断が決定的なのだ。なんとしても知事に認めさせてはならない。
 裁判にしても、これまで無気力にさえ見えた北電側も一連の動きの中で俄然攻撃的になるだろう。初期の規制委員会とは違って、大本の判断がおかしくなっている。「廃炉の会」では規制委員会自体のウオッチングが必要になっている。

 当然のことだが、以上が「廃炉の会」運動の全般なのではない。なお、口頭弁論関係の資料は「廃炉の会」機関紙『HAIROニュース』 (1-16号) による。

(2016年2月4日)